海鳴の記

お祭り見物が趣味のディレッタント。佐渡民謡の担い手です。

相川地区に残る念仏講中関連の石造物

専門の関係で念仏講中について調べています。

 

相川地区には、それほど数は多くないものの、講中関連の石造物がいくつか残っています。

 

いつまた藪に飲まれてしまったり、撤去されてしまうかも分かりませんので、早めに写真に撮って記録しておくことにしました。

 

それらの石造物は当記事に随時まとめていく予定です。

 

・左門町・西念寺跡の念仏塔

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西念寺(浄土宗)の後には今堂宇が2つ建っており、その前にこの念仏塔が建っています。

 

下段正面に「念佛講中」、右側に世話人の名前、「中邊講中」の字、各町名が彫ってあります。

 

・水金町・専光寺跡の念仏塔

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下檀に「念佛講中」と彫ってあります。絶妙な形の石塔です。

 

・下山之神町・総源寺の六地蔵

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向かって左側の地蔵菩薩の台座に「左門町 大床屋町 念仏講中」とあります。右側の方は戒名が彫ってあります。

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・中寺町・瑞仙寺・小川久蔵の墓

瑞仙寺は日蓮宗のお寺ですが、小川久蔵の墓の台座には念仏講中の字が見えます。

 

小川久蔵を義民と慕う人が宗派関係なく供養のために寄進をしたのではないでしょうか。

 

佐渡島内各地の念仏講中が長谷の遍照坊や上山田の善兵衛などの義民供養のために念仏を唱えるということは既に知られていますが、それと似たようなものなのかもしれません。

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右側に「題目 念仏 講中」とあり、間に「下戸町」「同濱町」とあります。

 

題目講中というのは日蓮宗講中のことでしょうから、共同で建てたんだと思います。それがなぜ下戸の講中なのかは分かりません。

それから題目講中という名前もしばしば見かけるのですが、今相川に残る日蓮宗講中は「法華講中」と言い、「題目講中」とは呼ばないと思います。どこかで名称に変化があったのだと思いますが、それもよく分かりません。一般の檀家ではなくて日蓮宗の寺院で月に一度やるのを「題目講」というのだと聞いたことがありますが……。

 

まだあったと思うので写真フォルダから発掘し次第、追加していく予定です。

 

・南沢町・地蔵尊(2021年4月19日追記)

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 南沢町の入り口、大床屋町へ続く階段の横にあります。

石祠の右の柱に「羽田町 ×屋町 念仏講中」とあり、手前の右の石灯篭には「南澤町」と彫られています。

 

いつもお地蔵様の赤い前掛けが新しく、造花も供えられています。