海鳴の記

お祭り見物が趣味のディレッタント。佐渡民謡の担い手です。

祝ユネスコ世界無形遺産 跡部の踊り念仏(R5.4.2)

長野県佐久市跡部の西方寺で4月の第一日曜に行われるのが跡部踊念仏で、今般ユネスコの世界無形遺産に登録された「風流踊」の構成遺産となっている。長野県では和合の念仏踊、新野の盆踊りが登録されて計3つである。

鎌倉時代一遍上人はこの地を訪れ、念仏踊りを創始したと伝えられている。その原型をとどめていると考えられるのはこの跡部の地のみである。踊念仏は風流踊に展開していくうえで大変重要な歴史的役割を果たしているのであり、そのような貴重なものがこの跡部の地には残っているのである。確かに、他の大規模な盆踊りや華やかな衣装、音楽などがあるわけではないし、踊りは一セットが25分程度と短いのであるが、歴史的経緯を踏まえればいかに跡部の踊り念仏が重要かわかる。

実際、クライマックスの方になり、跳ね踊るようなステップで踊り手が踊るシーンには見ごたえがあった。ああ、これが踊躍歓喜の局面なのか、という一種の感動すら覚えるほどであった。これは確かに見る価値がある。

今回はユネスコ世界無形遺産に登録されたということもあり、お堂に入りきれないほどの人が詰めかけていた。私もずっと立ち見であった。佐久市長はじめとした重役、新聞やテレビなどのメディアもたくさん来ていた。ちなみに某ローカルテレビ局はベテランのカメラマンのおじさんがなにやらもう一人の若いスタッフにしきりに指示を出していたが、上手く伝わっていなかったようで、終わった後若いスタッフは怒られていた。

踊り手のご婦人の方々の表情は真剣そのもの、やや緊張しているのではないかと思われたが、終わった後に知恵団子を我々観客に配ってくれた時には表情も晴れやかになり、やりきったという達成感、安ど感が伝わってきた。いいものを見せてもらってありがとうございました!

北陸新幹線佐久平駅でJR小海線に乗り換えて10分ほどで中込駅に到着。西方寺までは15から20分ほど歩く。県宝に指定されている貞祥寺へも歩けなくもないので見てきた。あとは中山道岩村田宿、鼻顔稲荷神社なども参拝した。

 

跡部踊念仏の動画はこちらに!

R5.4.2 長野県佐久市 跡部の踊念仏 - YouTube