海鳴の記

お祭り見物が趣味のディレッタント。佐渡民謡の担い手です。

鉱山巡りシリーズ 秋田県・院内銀山(R5.7.2)

昨年の尾去沢鉱山に続き諸国銀山巡りシリーズ、今回は秋田県の院内銀山です。東大日本史の過去問で出てきたくらい有名な銀山です。電車を降りると異人館という施設があり、ここで色々展示を見ることができますよ。そして自転車も貸してもらえます。院内銀山までは山道を3キロほど登りますが行けなくはないとのことで、徒歩よりはよかろうと思い借りました。途中クマが出るとも限らないということで少しビビりましたが結果的にはセーフ。

羽後街道を登ること30分くらい、意外と早く着きました。銀山入り口からはこのような山道をひたすらさらに2キロくらい歩きます。今はただの山ですが往時は家が立ち並んでいたそうです。異人館に明治時代の写真がありましたが信じられないくらい家がたくさんありましたよ。佐渡相川でいうところの上相川みたいな感じですかね。しかしここは近代まで操業していました。

金山神社に到着まで2キロくらいです。誰にもすれ違いませんでした。9時半くらいにはなってたでしょうかね。

神社から明治天皇が訪れたという「御幸坑」まですぐです。立ち入りできるのはここまで。この上にも坑道跡があるみたいですが、整備されていないため立ち入り禁止でした。おそらくそこまで整備の手が回らないんではないかなと思います。年に一回金山神社のお祭りで院内銀山まつりというのをやっているみたいですが、それ以外の時期は基本的に静かなんだと思います。

小関清水の跡。小関太夫という遊女が銀山に来た際に坑夫と契りを交わしたものの、病気で死んでしまいました。坑夫は悲しみのあまり銀山を出奔してしまいました。小関を埋めたところからは清水が湧き出て、小関清水と名付けられました。それから30有余年後、銀山を訪れた僧侶が小関太夫を供養し南無阿弥陀仏と彫った石を立てました。

という話なのですが、実際に昭和に入ってからこの南無阿弥陀仏の石が出てきているというのが非常に興味深い話です。伝説が物的証拠の発見により裏付けられるという驚きがありますね。

麓に帰ってきて自転車を返却し、近くのほっと館という温泉施設を利用しました。いいお湯加減でゆっくり休めました。

院内銀山へ来たらぜひ異人館とほっと館へ!