海鳴の記

お祭り見物が趣味のディレッタント。佐渡民謡の担い手です。

年末の佐渡相川で嬉しかったこと、悲しかったこと(R4.12.31)

ややさかのぼって年末の佐渡相川のこと。12月31日昼はこの時期に珍しい晴れ時々曇り。いつもならどんよりした雲に雪が舞っているものだが。

次助町の鐘

毎年この次助町で除夜の鐘をついていたのだが、近年は昼間にやることになっている。うーん、夜やるから意味があると思うんだけどなあ。そのせいで、昼間にやった年は関係者5~6名以外は誰も来なかった。そりゃそうだろう。

で、2022年末はあの佐渡南部を襲った大雪、停電で、中止に。相川は別に停電の被害なかったよね?やらないことの言い訳作りなんだろうなあと思った。雪も、見ての通りほとんどないし。雪のある年でも昔は除夜の鐘やってましたよ。

……そんなことを考えながら、若干の抗議の意味も込めて鐘を突きに行きました。2~3発ついて帰るかと思ったら、無宿人の墓の方から物音が。恐る恐るのぞいてみたら、なんと知らないおじさんがほうきをもって無宿人の墓の近くの掃除をしているではないか!

声をかけて少し話してみた。おじさんは二見の人らしい。どうりで見かけない人なわけだ。ボランティアでお掃除してるんだって。これには感心した。大雪のことなど少し世間話をして、来年は手伝いますよと言って別れた。

は~あ、相川ってつくづく恥ずかしい町だなと思った。二見からわざわざきて掃除をしてくれる人がいるというのに。自分たちは何だかんだと理由をつけて延期、中止。昔はみんなで年末が近づくと、除夜の鐘のあたりを草刈りしていたけどなあ。確かに、この日も道には折れた笹があって苦労した。佐渡鉱山無宿人の墓へ続く道なのに。世界遺産だなんだと浮かれていて、結局は歴史なんてどうでもいいんだね。

我が家では、除夜の鐘をここでついて、そのあと無宿の墓にもお参りするのが恒例でしたよ。きちんとろうそく、線香も墓前に供えられていて、たくさん人が来てました。そういうのこそ、守っていくべき光景なんじゃないかと思うんだけどなあ。

何かできることはないかと思うけど、組織の前ではいち個人、しかも若造など無力だ。はーやだやだ。佐渡相川ってのは問題の多い町だ。こんな町の人が、世界遺産なんて守っていくの絶対無理ですからね。