海鳴の記

お祭り見物が趣味のディレッタント。佐渡民謡の担い手です。

さどまる倶楽部の特典は帰省客・佐渡出身者にはおいしくない

佐渡準市民制度を引き継いだ「さどまる倶楽部」という制度。登録すると特典がつく。アプリをダウンロードするとだっちゃコインなる地域通貨が使える(事前にチャージしないとダメ)。いわゆる関係人口の拡大のため、またリピーター客獲得のために佐渡市観光協会DMOが開始した制度なのであるが、どれだけ利用者が増え、どのような効果がもたらされているかは分からない。

関係人口ということでその対象者に佐渡出身の人も含まれている。だが佐渡出身者で、実家を取り壊したとかならともかく、実家が残っている人ならば帰省時にわざわざホテルに泊まったりする必要はほぼなく、その場合はさどまる倶楽部の特典である佐渡汽船の船賃割引が適用されることはない。関係人口の射程に入っていてもうまみがないのだ!

市内では祭りや伝統芸能が盛んだとしきりにPRしているが、今やその芸能を島民だけで賄うのは厳しくなっており、帰省客頼りになっているのは否めないことだ。これからもその傾向は一層強くなる。だが祭りという宗教行事のために帰ってくるのを支援するのは市にはできまい。そこで帰省客にも(島民割引まで行かなくとも)割引を適用することはできないのだろうか。それこそさどまる倶楽部とやらで佐渡居住歴を確認すればよいだけの話で。そうすれば一回来ただけの観光客をあてにするよりもよほど会員数は安定することであろう。宿泊施設はもうからないかもしれないが、それはキャンプに来た客と実質的には同じで、滞在者が一時的に増えることはマイナスにはならない。

現行の制度だと実家のある帰省客はさどまる倶楽部を登録する意味がなくなっている。観光協会DMOが進めるのと、佐渡市の関係人口増加という目標への進め方に食い違いが生じているのではないか?