海鳴の記

お祭り見物が趣味のディレッタント。佐渡民謡の担い手です。

「やわらぎ」を演じるゴールデン佐渡の職員

鉱山祭のときに大山祗神社で奉納される民俗芸能「やわらぎ」。

島外から見に来る人がいるほどマニアには知られている芸能です。

この曲は佐渡鉱山の鉱夫が岩を掘りながら歌った労働歌とも言われています。近現代には高任神社(道遊の割戸の近くにある神社)や、御料局(今の郷土博物館)の前などでも奉納されています。

いま演じているのはゴールデン佐渡の職員ですが、動画などを見てもらえばわかるように、やる気がないみたいです。

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見てもらえばわかる通り声も出てないですし、覇気もないです。私は実際このやわらぎをやっている職員から、

「だっさい服着てあんなのやりたいくないんですけれどもね」

というぼやきを聞いたことがあります。

それでもテレビの取材には「伝統的にあるものだからすたれていっては……」みたいなことを言っているようです。

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昨年は相川小学校の児童にやらせていたようです。

どうせ伝統芸能だからとか何とか言ってやらせたんでしょうね……。

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ゴールデン佐渡の人たちがやわらぎをダサいと感じるのは、仕方ないことですし、それをどうこう指弾するつもりはないですけど、こういう姿勢が巡り巡って佐渡鉱山がいつまでたっても世界遺産に登録されなかったり、相川の住民が冷めていたりする原因のひとつなのではないかと思ってしまいます。伝統を守る?地域文化を守る?そういった地域貢献の姿勢がまるで感じられず、口だけでやっているような気がしてなりません。

私は40年ほど前に佐渡鉱山(当時はまだ稼働中)の職員がやわらぎをやっている映像を所持していますが、その頃の人々は唄が大変上手であり、みな活き活きと演じているように思いました。

こういう過去の映像や、上手い例などを見て参考にすれば少しはゴールデン佐渡の職員の人の意識も変わってくるのではないかと思っています。この辺は上の人間や教える側の人の力量もあると思います。自分たちで金山茶屋で練習してたって上達するはずもなく。

やわらぎ、もとい金堀節は貴重で大変味のある唄だと思っています。上手く唄えば。佐渡おけさの村田文三もかつては金堀節をレコードに吹き込んだこともあるくらいですから。上手な例、過去の映像や音声を基に、もっと堂々とやって欲しいです。周りの目線など気にしなくて良いから。一生懸命やっていれば人には伝わるはずです。

そういう姿勢、一生懸命なところが町の人に見えないから、ゴールデン佐渡は不信感を抱かれるのです。自分たちの金もうけのために世界遺産登録を目指しているのではないかと。