海鳴の記

お祭り見物が趣味のディレッタント。佐渡民謡の担い手です。

越中八尾、初訪問(R5.4.15)

高山祭を見物した翌日は雨で屋台の運行やからくりの披露はなし。ただし屋台蔵の中でからくりをやっていたようだ。Twitterで見たが高山祭は「二日間のうちどちらかは雨」というジンクスがあるそうだ。なるほどね。というわけで高山本線に乗り越中八尾に移動。ここは言うまでもないおわら風の盆をやるところだ。八尾は飛騨から進出してきた聞名寺の寺内町として発展し、商工業、特に蚕紙や製紙工業で栄えた町だ。富山といえば農家の副業の薬売りが有名だがその薬を包むための紙はここ八尾の紙が丈夫ということで使われていたのだそうだ。

高山本線富山行の特急ひだは外国人で大混雑しており、自由席車両では立っている人もいた。八尾まで1時間半くらいあり、私は友人と半分(というより6:4で自分)ずつ座っていた。隣に座っていたハイキングと思しきご婦人は混雑ぶりに驚いていたが、高山祭でこんなに人いるんですよと言ったら納得していた。

車内では飛騨古川祭りが4月19、20日にあることをアナウンスしていたので、来年はこちらを見たいと思っている。なぜなら今年は平日だったが来年は金、土にかかるからだ。

上の写真は特に八尾で有名な諏訪町で、日本の道100選にも選ばれている(そんなリストがあるのもここで初めて知った)。見ての通りいい街並み。景観に配慮し電柱が地中化されている。風の盆の時は特に混雑しそうだ。

ちなみに八尾の民家には見てわかる通りうだつが取り付けられている。これは火事が燃え移らないための一種の防火壁の役割があるらしい。なお、佐渡相川の家にはうだつは見かけない。理由は不明。

ここがその聞名寺。見ての通り屋根がでかいこの脇の東町(で合ってる?)から登ってくるときにあまりの屋根の大きさにびっくりした。大寺院だ。

おわら資料館にも行った。越中おわら節といえば富山を代表する有名な民謡のひとつであり、非常にレベルの高い難曲である。これを9月の風の盆で各町内が歌い、踊る。筆者の記憶では新潟でも風の盆のCMが流れていた。「越中立山、加賀では白山…」と歌い、「富山の夏、日本の夏」とナレーションが入っていたような気がする。しかしその頃は子供でこれがおわら節などとは知る由もなかった。

そこに歴代のポスターが飾ってあるが、どれも傑作だ。変な合成写真などにしなくとも、素の写真がそのまま広告になるのが素晴らしい。これは常々言っていることだが、いいお祭りというのはポスターもいいのだ。特に自分はシンプルなのが好きだ。そしてポスターを眺めるだけでも楽しい。佐渡相川鉱山祭のポスターはちゃんと保存してあるのだろうか?こういうのももれなく民俗資料と考えている筆者にとってはそこは大いに疑問な点だ。それにしても、2018年前後の鉱山祭りのポスターは特にひどく、毎年使いまわしか、上半分に花火の切り抜き、下は踊り手を横から撮影した暗い写真でひどかった。シンプルなポスターほど難しく技巧が必要なのかもしれない。そう思うと風の盆はますますすごい。まあ、比べてもらっては失礼と思われるかもしれないが、筆者は鉱山祭り・相川祭りは全国に名をはせるほどの大祭に列挙されても不思議ではないと考えているのでこれくらい許してほしい。

そんな越中八尾のおわら資料館は大人210円で入れて面白いので八尾に行ったら寄りましょう。

八尾の近くを流れる井田川。おわら節にも唄われている川である。神通川に合流する。

高山本線越中八尾駅の駅舎にもポスター!